撮影/写真部・辻菜々子
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AERA 2021年8月9日号より
AERA 2021年8月9日号より

 出社時に仕事道具を自宅に置いてきてしまった。家の中でも、オンライン会議のための部屋移動に手間取ってしまった。そうした経験がある人も多いはず。スムーズな拠点移動に何か良いアイディアはないのか。AERA 2021年8月9日号から。

【写真】仕事に必要な道具もカバンにまとめると、すっきりした印象に

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 親も子どもも自宅作業が増えた。油断すると自分の仕事道具と家族の持ち物が交ざったり、出社した際、一部の仕事道具を自宅に忘れたりすることには、誰もが覚えがあるだろう。整理収納アドバイザーの中山真由美さんが提唱する、とっておきの解決策はこうだ。

「常にカバンに入れておく方法です。つまり、カバンを一つの収納にするんです。家で仕事するときはそのカバンを持ってワークスペースへ行けばいいし、外で仕事をするときにも、まったく同じ環境がすぐに整います」

 収納スペースを部屋に作るのではなく、移動カバンを収納にする。まさに逆転の発想だ。

 カバンは、A4サイズの書類がスムーズに入る大きめのものが便利だ。収納ポケットがたくさんあるPCケースに、ノートパソコン、タブレットや書類、文房具など仕事に必要なものをすべて収納して、そのままカバンの中に入れるだけでいい。

「私自身は、筆箱や名刺入れなどの小さいケースを持つこともやめました。フリクションの4色ペンを1本と、消えない4色ペンを1本の計2本あれば十分。ケータイの充電器やコード類、電卓なども全部収めています」

 中山さんは、夫婦そろってリモートワークになったり、子どもたちのオンライン授業があったりする場合、自宅のワークスペースを会社の会議室のように予約制にすることをすすめる。

「みんなで予定をシェアして、『今日の何時は誰がリビングでオンライン会議をする』とスケジュールを管理するんです。自宅の部屋移動の時も、カバン収納は有効です。すべてをカバンに入れてしまえば、リビングにウェブカメラを置き忘れたりすることもなくなります」

■家族一人にひとつ

 家の中だけの移動なら“大人のお道具箱”もおすすめ。こちらも大きさはA4サイズがベストだ。ポイントは中に仕切り箱を用意することだ。消しゴムやクリップなどの小物、ペンやのりなどの長細い物というように、種類・目的・大きさ別に小分けにでき、取り出しやすくなる。

「書類はもちろん、ノートパソコンやマウスなど、必要なものがちょうど収まるサイズ感だと思います。家族一人ひとりに好きな色のお道具箱を用意してください。柄の入っていない単色のものを選ぶと、見た目がゴテゴテせず、スッキリします」

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