放送作家でコラムニストの山田美保子氏が楽屋の流行(はや)りモノを紹介する。今回は「Dr.stretch」(ドクターストレッチ)を取り上げる。
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「ストレッチがいいらしいですよ」とは某男性アイドル。スタジオの片隅で、やれ腰が痛い、肩こりが酷(ひど)い……などと“ジジババトーク”をするオーバー60のスタッフらに、こう助言してくれた。
聞けば、歌番組やコンサートの前には、メンバーと円陣を組んでストレッチをしているのだとか。
そういえば、舞台俳優らも、稽古や本番前、共演者とストレッチしあいながら、ウォーミングアップをすると聞く。
かつて、某高級スポーツクラブの見学に行った際、年配の男性会員が女性スタッフの指導を受けながら、ず~っとストレッチをしているのを見た。
当時まだ40代だった私は、せっかくスポーツクラブに来たのに、なぜストレッチばかりしているのかと不思議に思ったものだが、どうやら私もストレッチが必要な年齢になったようである。
そんな折、見つけたのが「Dr.stretch(ドクターストレッチ)六本木店」。オープンしたばかりということで、揃いのスポーツウェアに身を包んだスタッフが、初回体験プライスのパネルを掲げて勧誘。店前には著名人からの胡蝶蘭やスタンド花がズラリと並んでいた。
そんな話をまた局内でしたところ、「あそこ、すごくいいよね」「私は○○店に行っている」「僕は◇◇店」と、その場にいた全員が言うではないか。さらに、「相性がいいスタッフに会えたら指名したほうがいいよ」「定期的に通ったほうがいいよ。確実に身体が柔らかくなるから」と親切に解説してくれる人も。タレントや芸能関係者に「ドクターストレッチ」がいかに浸透しているかの証しだろう。
実はこの2年ほど、坐骨神経痛に悩まされ、加えて梨状筋症候群の疑いもあった私。さらに、オーバー60のカラダは、自分でも信じられないぐらい硬くなっていたのだ。