一方で、五輪に反対する人たちの一部に、アスリートに「ボイコットしろ」「金メダル返上しろ」など過激な誹謗(ひぼう)中傷をする人もいます。言葉一つで「分断」は一気に深まり、埋めがたい溝ができてしまう。そこもとても危惧しています。

 ダイバーシティー(多様性)とは、「私とあなたは違う」と自覚し、違いを認めることが始まりです。その先にしか、多様性を重んじる社会は作れない。

 ただ、その違いを「分断」ではなく、緩やかな「分節」という形にしていく。その方法を今回を機に本気で考え始める。それがアフター五輪の課題に向き合い、スポーツを再構築するためのしかるべき態度であり、知性の使い方ではないかと思います。

(構成/編集部・小長光哲郎)

AERA 2021年8月16日号-8月23日合併号

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