この安定したスタンスは、日本テレビの五輪中継番組の“スペシャルキャスター”を務めた元NHKの有働由美子アナにもみられた。
スポーツ紙のデスクは話す。
「日テレは“スペシャルサポーター”として番組全体の仕切りを期待された『くりぃむしちゅー』の上田晋也さんがコロナ感染で五輪開幕前にリタイアするというハプニングがありました。潤滑油的な役割を果たす上田さんが不在の中、“お笑いモンスター”の明石家さんまさんとの掛け合いをしつつ、視聴者に的確に情報を届けようとするバランス感覚は、さすが元NHKのエースアナといった感じでした。上田さんありきの完璧なフォーメーションでの活躍も見てみたかったですね」
民放で元エースだった先輩が奮闘するなか、NHKで現在「エースアナ」との呼び声高い和久田麻由子アナの活躍も光った。民放テレビ局の番組プロデューサーはこう絶賛する。
「東大卒の知性派ですが、もともと、和久田アナは女子アナ特有の自己顕示欲の強さを感じさせないナチュラルな雰囲気があって好感度が高い。今回、開会式の中継という大役を任されながらも、不必要に気負うことなく落ち着いた語り口で、各演目の紹介など細かい部分まで気を使って丁寧に実況していた。NHK内外に改めてその実力を知らしめた形になりました。フリー転身の際には、ぜひウチの番組のMCで起用したい」
その一方、同じくNHKの看板アナの一人で和久田アナのライバルとも言われている桑子真帆アナには局内から厳しい意見も出た。
「桑子アナも閉会式の中継という大役を務めたわけですが、『アーティスティックスイミング』の日本代表の “マーメイドジャパン”の選手たちを『新体操の皆さん』と紹介。極度の緊張を強いられる実況ですし、揚げ足をとるつもりはないですが、痛い言い間違いでした。桑子アナは18年の平昌冬季五輪の開会式を『閉会式』と言い間違えたり、司会を務めた同年大みそかの『NHK紅白歌合戦』でも、白組が優勝したにもかかわらず『紅組に優勝旗が渡されます!』と発言して物議を醸しましたからね。上層部の期待や現場ウケはけっして悪くないのですが、昨年4月に女性誌にキャッチされた俳優の小澤征悦さんとのデートの際も、緊急事態宣言下でのマスクなしの写真が掲載されるなど、どうも流れが良くないですね」(NHK局員)