これを契機にしてESG投資(環境<Environment>・社会<Social>・ガバナンス<Governance>を考慮した投資)の流れは本格化していく。2016年に世界で22兆8000ドルだったESG運用資産残高は、現在では37兆8000万ドルに急伸し、2025年には53兆ドルに達するとブルームバーグは予測する。

 世間でも「持続可能な社会」という言葉が頻繁に使われるようになった。そんな中、地球温暖化を食い止めるためにEVを世界普及させようと創業したテスラに注目が集まっていったのは当然だろう。むしろ、やっと時代がテスラに追いついたと見るべきだ。

 象徴的な出来事は2020年7月、時価総額でテスラがトヨタを抜いて、世界自動車メーカーのトップになったことだ。「自分が取締役の間は、急激な改革をして返り血なんて浴びたくない」「面倒な改革は、次の連中に任せればいい」と逃げを打つ経営幹部が多ければ、その企業は時代の変化に取り残される。

 なにより地球温暖化問題は、変化を世界に求めていることに他ならない。欧州で起きているEVシフトは世界に波及していく。先手を取るか、後手に回るかで、21世紀の覇権の顔触れは変わるだろう。そして、テスラが先頭を走っていたEV戦線の本当の戦いはこれからが正念場となる。

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