写真はイメージです(Getty Images)
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 ゲームに熱中しすぎて、学業や仕事、日常生活に支障が出てくる「ゲーム依存」が社会問題となってきている。コロナ禍の今、子どもたちはゲームへの依存度が高まっているという。ゲーム依存の実態とは。子どもとその親を支援する専門家の活動の一端を取材した。

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「息子がまた暴れ始めました。一刻も早く来てもらえませんか」

 朝8時、中学2年生の子どもの問題行動に悩む愛子さん(仮名)が切羽詰まった声で、電話口で訴えていた。通話の相手は、ネット依存の子たちを更生させる活動をしている佐野英誠さん。佐野さんは、『ゲーム依存から子どもを取り戻す』(育鵬社)などの著書があり、4年前から全寮制のフリースクールの塾長を務めている。愛子さんが佐野さんに初めて相談をしたのは、その電話の2週間ほど前のことだ。

 息子が暴れている理由は、「新しいタブレットを買ってくれ」という要求を母親が拒否したためだ。佐野さんは、急いで愛子さんの家に向かった。

「家に足を踏み入れて、驚きました。ガラスはあちこち割れ、壁には穴が開き、家具は破壊されていて、とても普通に暮らせるような環境ではなかったんです」(佐野さん)

 息子と対面して、また驚いた。「どんなに凶暴な子だろう」と思っていたが、おとなしそうなごく普通の中学生だったからだ。

「こんな子が親に暴力をふるったり、家を破壊したりしているなんて。そして大人が子どもの奴隷のようになっているなんて……。信じられませんでした」

 厚生労働省の推計によると、オンラインゲームや動画サイトなどを含む、病的な「ネット依存」が疑われる中・高生は、日本国内に93万人。この数は過去5年間で倍増している。2019年に行われたゲーム障害に関する初の実態調査(厚生労働省の補助事業として国立病院機構久里浜医療センターが実施)では、10代・20代の18・3%が、平日でも1日3時間以上をゲームに費やしていることが明らかになっている。

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ネットに制限をかけられ逆上