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コロナの感染拡大は歯止めが利かない状態になっている。東京都内では8月13日、過去最多となる5773人の感染が確認されたほか、都の基準で集計した重症患者は227人となり、4日連続で過去最多を更新。全国でも新たに過去最多の2万365人の感染者数が確認されている。近隣の神奈川県の感染者は2281人、埼玉県は1696人、千葉県は1291人といずれも過去最多を更新している。
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東京都の小池百合子知事は記者団からコロナの感染拡大で医療体制がひっ迫していることに質問が及ぶと、「外出を控えてください。今日もたくさんの人が出ておられますが、大雨もコロナも同じです。災害になります。よろしくお願いします」と呼び掛けた。
だが、その声は届くだろうか。リモートワークが進んでいるとは言えず、平日は通勤客でごった返す風景が駅で見られる。休日も繁華街では若者が出歩いている姿が目立つ。
「国民が政府や東京都のいう事に耳を傾けなくなっている。緊急事態宣言も延長に次ぐ延長で終わりが見えない。不要不急の外出が呼び掛けられていますが、外出のハードルが下がったのは東京五輪を開催したことが間違いなく影響している。感染リスクを避けるために外出の自粛を呼び掛けているのに、五輪開催で世界から選手、関係者、海外メディアが東京に集まってくる。コロナ対策の観点で矛盾を感じるのは当然です」(テレビ局政治部記者)
12日の東京都のモニタリング会議では、国立国際医療研究センターの大曲貴夫・国際感染症センター長が五輪の影響について言及し、波紋を呼んだ。
「感染リスクが高いにも関わらず、五輪競技場の周辺や沿道では、大勢の人が集まり、応援する姿が見られた。今一度、屋外であっても密集・密接することは、感染リスクが高いことを啓発する必要がある」
しかし、24日から予定通りパラリンピックを実施する小池知事は翌日、返す刀で「大曲先生は印象論でおっしゃっている」と全否定した。