声をかけられた女性や周囲にいた人がこのサイトのことを知らず、そもそも何を言っているのか分からなかった可能性もあるが、

「名誉棄損罪は、現実に人の評価を害することまでは必要ないので、たまたま、周囲の人が実在のアダルトビデオサイトと認識していなかったとしても犯罪は成立します」(村松弁護士)

 撮影場所は定かではないが、仮に撮影場所を大阪府内と仮定すると、「〇〇に出てた人や!」などと大声で話しかけ、目の前に寝転んだりする行為は、「人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をすること」として、府の迷惑防止条例に違反する可能性もあるという。

 さらに今回は、女性の顔にモザイクなどの処理をしていなかった。すでに動画が削除されておりすべては確認できないが、顔がはっきり映っていた場合や個人が特定される映し方をしていた場合、これも名誉毀損罪に問われるケースがあるという。ただ、「かなり悪質な行為だとは思いますが、もし名誉棄損罪が成立するとしても、実刑になることは無いと思われます」(村松弁護士)

 被害女性が望んだとしても厳しい刑事罰は下されない可能性が高いようだ。では裁判を起こし、損害賠償を請求することはできるのか。

 村松弁護士は、

「『〇〇に出てた人や!』と叫ぶ行為は、それだけで、人の名誉を侵害する行為として、損害賠償請求の対象になります。加えてモザイクもかけずにYouTubeに載せる行為は肖像権の侵害となります。女性の顔がどのくらいはっきり写っているかによって侵害の程度が異なり、損害賠償の金額に影響することになります。今回の動画が、結果的にすぐ削除され、それほど拡散されていなかったり、女性の顔がそれほどはっきりと映っていなかったりという事情であれば、損害賠償請求の金額はそれほど大きくはならないと思います」

 と解説する。

 昨年6月に迷惑系YouTuberの「へずまりゅう」が窃盗や威力業務妨害などの罪に問われた事件は記憶に新しいが、YouTuberの迷惑行為は後を絶たず、逮捕されるケースも少なくない。それでも悪質な動画の投稿が続く。

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やり過ぎたら高額賠償の可能性も