そして、もし、エンゼルスが大谷と長期契約を結びたいなら、大谷の年俸が高騰する前、今オフに契約を結び直すのが賢明だという主張が述べられている。オルニー氏の主張は、「今後大谷の年俸が高騰すれば、エンゼルスは大谷と契約を続ける可能性が低くなる」という様にも聞こえたため、現地のファンから怒りを買った。

 オルニー氏のSNSには、「これは最低のコラムだ。チームのことを全く分かっていない」というものから、「大谷は年俸以上にオーナーに莫大な収益をもたらしていることを知っているのか?」、「エンゼルスに財政危機が起こるわけない」といった、同氏が的外れな予想をしていると指摘するもの、さらに「筆者は新参者か? オーナーが億万長者であることを知らないのか?」、「オーナーにとってお金は問題ではないと思うけど」といった、エンゼルスには潤沢な資金があること主張するコメントなどが数多く寄せられている。

 また、このコラムに反対意見を述べる同業者も現れた。スポーツライターのブレント・マグワイア記者は、同氏のSNSで「この記事はミスリードをしている」と怒りを露わにしながら、「1.エンゼルスは世紀の才能を大谷を絶対引き留めるべき。2.予算の問題はない、来年の予算は総額1億1100万ドル(約122億円)だが、23年には8600万ドル(約95億円)になる。3.アート・モレノ氏(エンゼルスのオーナー)は35億ドル(約3864億円)を持っている。4.大谷は大谷だ」と理由を挙げて、オルニー氏の主張を真っ向から否定するコメントを投稿した。

 いずれにせよ、オルニー氏のコラム対してこれだけ非難が殺到したのは、エンゼルスで活躍する大谷の姿を楽しむファンにとって不快な内容であったからだ。だが一方で、オルニー氏の主張を都合よく捉えるメディアもある。

 レッドソックスの地元メディア『ニューイングランド・スポーツ・ネットワーク』は、「大谷がレッドソックスに来るという空想をするのは決して早すぎることではない」と題した記事を12日に掲載している。同記事は、オルニー氏のコラムを引用しながら、次のような予想を述べている。

次のページ