セルフロックダウンを呼びかける静岡県 (c)朝日新聞社
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(週刊朝日2021年9月3日号より)
(週刊朝日2021年9月3日号より)

 俳優の千葉真一さんが8月19日、新型コロナウイルスによる肺炎のため82歳で亡くなった。千葉さんは7月末に新型コロナに感染。発熱が続いたことで8月8日に入院し、酸素吸入などの治療を続けたものの病状が回復することはなかった。ワクチンは本人の意思で接種していなかったという。

【シミュレーション結果】限定的ロックダウンをした場合の感染者数と重症患者の推移はこちら

 新型コロナは、健康に自信のある人でも命を危険にさらす。特にデルタ株は、従来株より体内のウイルス量が1千倍以上多くなることがあるという。『新型コロナ 自宅療養完全マニュアル』の監修者で、鳥居内科クリニック院長の鳥居明医師はこう話す。

「デルタ株は従来株に比べて感染力が強く、重症化する確率も高い。健康で、予防をしっかりしている人でも感染してしまいます。これまでの新型コロナウイルスとは別のものだと考えてほしい」

 こうなると、自分自身をウイルスから守る「セルフロックダウン」を実践するしかない。感染リスクを減らす方法とは。

「基本的な対策は従来株と同じです。手洗いと消毒をしっかりして、マスクを着用する。マスクは、ウレタンや布製のものは予防効果が低いので不織布のものを必ず使用してください」(鳥居医師)

 これまで以上に注意しなければならないのは「密閉・密集・密接」の「3密」を避けることだ。首都圏を中心に在宅医療クリニックを運営する悠翔会の佐々木淳医師は言う。

「デルタ株では、3密のうちの一つでも該当すれば感染のリスクがこれまで以上に高まります。可能な限り、人との接触は避けてほしい」

 7月に国内で感染が初確認されたラムダ株も警戒されている。

「ラムダ株はまだわからないことが多いのですが、デルタ株と同じく強い感染力を持っていると言われています」(鳥居医師)

 これまでは、飲食店や密閉された場所でのイベントなどが感染しやすい場所として警戒されてきた。だが、最近ではショッピングモールやデパ地下でもクラスター感染の報告が相次いでいる。買い物客で混雑している時間帯は、大型商業施設は避けたほうがいいだろう。

 それでも感染してしまった場合はどうするのか。

「感染すると、血中の酸素飽和度を測定するパルスオキシメーターが保健所から貸し出されます。ただ、陽性が確認されてから実際に製品が自宅に届くまでに3日から5日間程度かかることがあります。ネット通販や量販店でも販売しているので、在庫があれば事前に購入しておくのがいいでしょう」(同)

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