「支援者の協力など、町全体がバックアップしている。選手からも『町の人たちに感謝しているし甲子園出場することで少しでも恩返しできれば』という言葉も常に聞こえて来ます。そして前監督の岡田康志先生、前々監督の矢川雅英先生の2人が池高へ帰ってきた。蔦文也監督以降の3人が現在の池高に揃ったわけです。心強い、と井上監督も言っています」(徳島新聞・木村記者)
有力選手のリクルート、選手を育てチーム強化するための後方支援に加え、蔦監督の教え子3人が集結した。40年間の監督在籍で春夏合わせて全国優勝3回、準優勝2回という実績を残した名監督のDNAだ。井上監督を中心とする、強靭な3本の矢ができあがった。
「2022年は学校創立100年になります。池高と言えば野球部という声もよく聞きますので、学校、町全体も気合が入っていると思います。強化も本気になっているはずです。甲子園出場は口で言うほど簡単ではない。100年だからといって都合良く行けるものでもない。でも今の池高は可能性を感じさせてくれます」(真鍋氏)
長年の伝統と誇りに近年の新しい流れがスパイスとして加わった新生・池田高校。1922年徳島県立池田中学校として創立してから100周年の記念すべき年に甲子園出場したならば、これほどドラマチックなことはない。池高の甲子園出場を待っているのは地元関係者だけではないはず。全国のファンが記憶に残る名門の動向に注目している。(文・山岡則夫)
●プロフィール
山岡則夫/1972年島根県出身。千葉大学卒業後、アパレル会社勤務などを経て01年にInnings,Co.を設立、雑誌『Ballpark Time!』を発刊。現在はBallparkレーベルとして様々な書籍、雑誌を企画、編集・製作するほか、多くの雑誌、書籍、ホームページ等に寄稿している。Ballpark Time!公式ページ、facebook(Ballpark Time)に取材日記を不定期更新中。現在の肩書きはスポーツスペクテイター。