その肉体を120%使い切り、その人にしか出来ないダンスやパフォーマンスを見せる。ここに一番、心が震えた。絶対に「その人にしか出来ない技」を見せまくる。
そして伊藤若冲のデコトラに乗った布袋寅泰で「きたーーーー」です。
正直に思ったことを書くが、映画「グレイテスト・ショーマン」の1シーンを思い出した。最後まで見きって、そこにあったのは興奮と感動です。
感動させようとして感動したのではなく、みんなが一致団結して見せた開会式と言う名のパフォーマンスを見ての感動。それらとは明らかに種類が違う。
最後まで見きって思ったこと。まずさまざまな人の邪念がないように感じた。何と比べてそう思ったかは書かなくてもお分かりと思うが。
このパラリンピックの開会式前・開会式後で、テレビやメディアで届けられる障害者のことが変わる気がする。時代が変わる瞬間を見ることができた。
そして、このパラリンピックの開会式、その人たちにしか出来ないパフォーマンスを全力で見せようと決めたあのチームに大きな拍手を送らせていただきたい。さあ、選手たちの戦いが始まる。大事なのはここからだ!
■鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)が好評発売中。毎週金曜更新のバブル期入社の50代の部長の悲哀を描く16コマ漫画「ティラノ部長」と毎週水曜更新のラブホラー漫画「お化けと風鈴」の原作を担当し、自身のインスタグラムで公開中。YOASOBI「ハルカ」の原作「月王子」を書籍化したイラスト小説「ハルカと月の王子様」が好評発売中。作演出を手掛ける舞台「もしも命が描けたら」が9/3~5兵庫芸術文化センター阪急中ホール、9/10~12穂の国とよはし芸術劇場PLAT主ホールにて上演。