菅義偉首相が3日、一転して自民党総裁選に出馬しないと表明。衆院選が迫る中、「野党共闘」はどうなるのか。AERA 2021年9月13日号で、共産党・志位和夫委員長(67)に聞いた。
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──衆院選では、共産党は「野党共闘」を強くアピールしています。特に立憲民主党には、かねて「野党連合政権」を呼び掛けてきました。
菅自公政権への批判が国民からこれだけ広がっていたわけですから、野党の姿勢も問われていると思います。
──「共闘」となると、政策はどうしていきますか。
わが党は、新自由主義からの転換、気候危機の打開、ジェンダー平等、憲法9条を生かした平和外交、立憲主義の回復などを争点として訴えていきます。他の野党と、かなりの部分で方向性は一致すると思います。
──では、一致できない部分はどうしますか。特に日米安保条約に関しては、共産党は「廃棄」ですが立憲民主党は「日米同盟を外交の基本」としています。天皇制についても、共産党は「天皇制のない民主共和制」を目指し、一方の立憲民主党は「象徴天皇の維持」を掲げています。
政党が違うのだから、政策が異なるのは当たり前です。不一致点は共闘には持ち込みません。共闘は一致点を大切にして前進させるという立場を堅持します。天皇の制度については、天皇条項も含め「現憲法の前文をふくむ全条項を守る」ということがわが党の立場であり、この点では一致するでしょう。
■閣内外の協力あり得る
新自由主義からの転換で言えば、昨年5月、立憲民主党の枝野幸男代表とオンライン討論会でご一緒した時、枝野代表は、新自由主義から抜け出していくことが重要だと思っているとおっしゃっていました。この点でも方向性は共有できるのではないか。野党が共通で掲げる政策を大切にしながら、党独自の政策も大いに訴えていく。二段構えで進むというイメージです。
──政権交代をしたら、共産党は連立政権に加わりますか。
「閣内協力」か「閣外協力」か、どちらもありうると一貫して言ってきました。話しあって決めていけばいいと思っています。