トレーニングとしては、まず発声の時の舌の状態を見ます。正しい舌のポジションは、舌がリラックスした状態で、下の歯の裏の歯茎の部分に軽く触れている状態です。緊張をなくすために腹式呼吸の簡単な方法も教えますが、GACKTさんの場合は歌手ですので、腹式呼吸はうまくできるので問題ないかと思います。
ただ、私が見てきた限りでは、プロのアーティストほどストレスや役作りに専念するあまり、声が出なくなることがあります。アナウンサーさんなど、実際に私のところに通われている方にもいます。GACKTさんは主治医のいる海外で治療に専念するとの発表をされていましたが、海外にもオペラを手本にしたメソッドなどトレーニングは色々あります。
――公式ホームページには<アルバムもツアーも必ず届けるから。>と記すGACKT。発表されたばかりの映画「翔んで埼玉」の続編も期待されるが、ストレスが原因であれば静養に専念してほしい。
司 拓也 (つかさ・たくや)/声と話し方の学校 ボイス・オブ・フロンティア代表。ボイストレーナー、メンタルトレーナー、整体師、ビジネス書作家などいくつもの顔をもつ。各々の活動歴は10年以上。年間セッション数は100を超える。「ポーカーボイスメソッド」を開発。著書は『繊細すぎる人のための自分を守る声の出し方』(朝日新聞出版)、『驚くほど声がよくなる!瞬間声トレ』(大和書房)、『超一流の人が秘密にしたがる「声と話し方の教科書」』(光文社)、『人前が苦手なら、ポーカーボイスで話せばいい。』(ポプラ社)、など多数あり、累計16万部突破。