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他球団の主力選手を補強することが、チームにとって必ずプラスアルファになるとは限らない。巨人が9月に入って1勝4敗3分けと苦しんでいる。阪神との首位攻防戦は3試合全てで先制しながら2敗1分で首位から陥落し、下位に低迷するDeNAとの3連戦でも2敗1分。10日の3戦目で3点差を追う9回に同点に追いつき、辛うじて同一カード3連敗を逃れた。
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白星から遠ざかっている要因は深刻な貧打だ。9月の8試合で3得点以下が6試合。日本ハムから無償トレードで獲得した中田翔は移籍後15試合出場で打率.158、1本塁打、2打点。得点圏打率.125とふるわない。2軍降格が11日、決まった。
丸も打撃不振が深刻だ。今季は調子が上がらず6月5日に2軍降格。6月18日に1軍復帰以降は状態が上向いていたが、9月2日のヤクルト戦から6試合連続無安打。9打数連続三振と打席の内容も悪い。9日のDeNA戦(横浜)でスタメン落ちし、途中出場で9回に26打席ぶりの安打となる同点適時打を放ったが、復調のきっかけをつかめるか。
日本ハムから巨人に16年オフにFA移籍した陽岱鋼は崖っぷちだ。移籍後はレギュラーに定着できず、規定打席に到達したシーズンは5年間で1度もなし。5年契約の最終年の今季は開幕から2軍暮らしで8月28日に1軍昇格し、代走や守備固め、代打で起用されている。10日の中日戦(東京ドーム)に「1番・中堅」で今季初のスタメンに抜擢され、4打数1安打。3回に今季初安打の右前打を放ったが、翌11日の同戦はベンチスタートとなった。
「広島でリーグ3連覇の中心選手だった丸を獲得するのは戦略上理解できますが、陽と中田は必要だったでしょうか。他球団から獲得した主力選手が稼働しないダメージはチームとして非常に大きい。その選手が出ているために、若手の出場機会が減って、成長するタイミングを逸してしまう。今の中田なら2軍にいる北村拓己や香月一也を1軍で使った方が可能性を感じるし、チームを長期的に見た時にプラスになる。陽がFA宣言した際に日本ハムは熱心に引き止めていません。ピークを越えたと判断したからでしょう」(スポーツ紙デスク)