「今が翔ぶ時!」
政治家ならそのカンがあるはず。政治家でなくともそのカンは働く。
私自身の一生にも、自分で分かっていながら、翔べなかったために全てを失った時期があった。
自分のカンに従わず、人の言葉に耳傾けるあまり、翔ぶ時を逸した。
永田町には、「回転寿司は二度まわってこない」という言葉があるとか。
政治アナリストの伊藤惇夫さんがテレビで言っていたが、確かにチャンスを掴めるかどうかは、自分の内なるカンに耳を澄ませることが出来るかどうかにかかっている。
その上で覚悟を決めたら、いたずらに人の言葉に耳を貸すべきではない。自分で考え、自分で決める潔さを持つ。言い換えれば、自分の言葉を持つ、個人としても魅力のある人物にやってもらいたい。
自分で考え自分で決めて自分で責任を持つ。いつまでも引きずっている派閥政治に終わりをつげる好機到来!
世の中が大きく変わる潮目になればいい。国民は冷静にその人間ドラマを見ている。
下重暁子(しもじゅう・あきこ)/作家。早稲田大学教育学部国語国文学科卒業後、NHKに入局。民放キャスターを経て、文筆活動に入る。この連載に加筆した『死は最後で最大のときめき』(朝日新書)が発売中
※週刊朝日 2021年9月24日号