ゴルファーの丸山茂樹さんは、来年の全英オープンが行われる「ゴルフの聖地」について語る。
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米PGAツアーの新しいシーズンが始まりました。来年7月には全英オープンが150回目を迎え、「ゴルフの聖地」セントアンドルーズ(英スコットランド)のオールドコースで開催されます。
こういった記念大会で優勝するとのちのち話題になったりするので、おいしいところで勝つのは誰なんだろうというのは気になりますね。
これまでセントアンドルーズが舞台になった全英オープンは29回ありました。僕は2000年と05年に出ましたね。00年はタイガー・ウッズ(45)が24歳でグランドスラムを達成した大会だったなあ。僕自身は最初が55位、2回目は予選落ちでした。いい結果は出なかったんですけど、あれ以来、いろんな人に「セントアンドルーズには行っといた方がいいですよ」って言ってます。
1番と18番ホールが横幅100ヤードにわたってつながってる光景が歴史を物語ってるというか。ここで150年前にも大会があったんだなあという思いが湧いてくる。あそこに行くと特別な気持ちになります。
距離はそこまで長くないのに、いったん落とし穴にはまるとどこまでもドツボにはまってしまうコースなんです。コースマネジメントが何より大事になりますね。
1990年にニック・ファルド(64)がセントアンドルーズで優勝したときに「キープ・レフト」って言ってました。あのコースには100以上のバンカーがあるんですけど、左には少ないので。「キープ・レフト」って、車の運転みたいですけどね。ハハハハ。
僕はそのイメージでやって、00年の初日は68の4位でスタートできました。でも2日目に大風が吹いてボロボロになった思い出があります。そのぐらい難しさの高低差が激しいんです。
歴史に残る名物ホールが17番パー4ですよね。78年に優勝争いをしていた中嶋常幸さん(66)はグリーン手前のバンカーに入れてしまった。あごの高いバンカーから脱出するのに4打かかって、このホール9打。優勝戦線から脱落してしまったんです。いまも中嶋さんのニックネームから「トミーズバンカー」と呼ばれてます。