そこから、数年が経過して、「水曜日のダウンタウン」(TBS系)に出させてもらったことも、大きなターニングポイントになった。松本さんがボクの出演している企画を見て「面白い」とかって笑ってくれたり「アホやなコイツ」とかって突っ込んでくれたり、そんなことが少しずつ積み重なって、またボクの仕事は増えた。

 あの頃は、少しずつ仕事の量が減ってきている頃だったから、ほんとうにありがたかった。番組のおかげで、アイドルをプロデュースすることもできたし、作詞もするようにもなったし、仕事の幅も格段に広がった。

 言い過ぎとかではなく、ボクは松本さんに「2度救ってもらった」と思っている。だから、何度も言うけど、松本さんがいなかったら、今のボクはいないんだ。

 なのに、まだボクは松本さんに、何も恩返しができていない。もちろん、すべての恩が返せるなんて思ってはいないけど、少しずつでも、なにか返していきたいなって思っている。

 だから、そういう意味でも、松本さんには「引退」なんかしてほしくない。恩人だからこそ、できるだけ長い期間、ボクの活動をみてもらいたいなって思う。

●「引退」するなら、金持ちの嫁探す

 ちなみに、ボク自身は「引退」を意識したことは、正直これまで一度もない。だって、ボクは松本さんのように多くの貯金があるわけじゃないから、まだまだお金も稼がないといけないからね。実家からの仕送りも、現在は止められちゃったし。それに、「引退」したとして、自分が、他の仕事をできるなんてまったく思わないからね。

 それに、安田大サーカスっていうグループに所属しているっていうのはやっぱり大きいと思う。自分がやめたことで、もし「解散」なんてことになっちゃったら、団長に怒られそうだし、何より自分の評価が下がりそうでイヤだ。

 でも、芸能界って、不安定な仕事だから、まったく仕事がゼロになっちゃったら、さすがのボクも少しは「引退」は意識するかも。

 そうなったら、どうしようかな。

 とりあえず、今、ボクが持っている資格や身につけている技術を活かして、新たな仕事を見つけるっていうのは一つの手だよね。ボクは、アロマコーディネーターの資格を持っているし、社交ダンスやカポエイラ、ボルダリング、ピアノ、料理も得意だからね。もしかしたら、これらを活かせば、何とかなるかも。

 もし、それでも新たな仕事が見つからなかったら、もう金持ちの嫁を何とか探し出すしかない。自分が元芸能人であるということをフルに使えば、何とか見つかるよね? うん、それしかない(笑)。

(構成/AERA dot.編集部・岡本直也)