漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「東京放置食堂」(テレビ東京系 水曜25:00~)をウォッチした。
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「東京放置食堂」というタイトルを見た時は、都内の片隅に放置されたようにひっそり存在する食堂を巡る話なのかと思った。同局で放送された「絶メシロード」的な。
でも違う。舞台は東京から120キロ離れた太平洋に浮かぶ島、大島。ヒロインは人を裁くことに疲れて、この島にたどり着いた元裁判官・真野日出子(片桐はいり)。
島で生まれ育った小宮山渚(工藤綾乃)と出会い、彼女が祖父から受け継いだ居酒屋「風待屋」を手伝うことになる。
コンビニもファミレスもショッピングモールも無い放置された東京。あるのは火山、海、バウムクーヘン地層(「ブラタモリ」で見た!)。吹き抜ける風、ゆっくりと流れる時間。やがて都会の生活にくたびれ悩みを抱えた旅人が、一人また一人と店にやって来る。
番組プロデューサーいわく「有給休暇テロ系ドラマ」。「孤独のグルメ」が深夜の「飯テロ」と言われて以来、テレ東は「テロテロ」言いすぎ。「有給休暇」にテロされたら、全然休める気がしない。
だがしかし、思いもよらない方向から来ました、テロ。たとえば有名IT企業のCEO、たとえばサイン会から逃げ出したアイドル、そんな悩める旅人たちに日出子が必ずふるまう一皿がある。