初閣議を終え、記念撮影に臨む岸田内閣の閣僚たち/10月4日夜、首相官邸(c)朝日新聞社
初閣議を終え、記念撮影に臨む岸田内閣の閣僚たち/10月4日夜、首相官邸(c)朝日新聞社

 ただ、こうした千葉3区でも、松野氏と岡島氏の長男・一正氏(63、立憲民主党)で「上位2名固定」の構図が03年から続いている。松野氏と正之氏が対決してきた時代も含めると、千葉3区の有権者は四半世紀にわたって、事実上「松野対岡島」の中から選択を迫られてきた。

 与野党ともに「現職支部長優先」で、本番の選挙に先立って候補者を絞り込むための「予備選」のような仕組みもない。候補者の新陳代謝を図るのは簡単ではない。

 岸田派で「将来の首相候補」と目されてきた林芳正前参院議員(60)が今回の衆院選で山口3区から立候補するが、9年かかった。

 12年の衆院選の時から、世代交代を望む地元県連が林氏を山口3区で公認するよう求めてきたが、96年から負けなしの河村建夫・元官房長官が「現職優先」と反発。党本部主導で林氏の立候補を封じ込めてきた。河村氏が78歳となった今回も譲らず、二階俊博前幹事長(82)が林氏の除名処分をちらつかせるなか、無所属でも立候補する意思を固めざるを得なかった。

 衆院選を前にインタビューした大学生が「私の選挙区、子どものころからずっと同じおじさんたちが争っているんですよね」と語っていた。

 調べてみると、松野氏の千葉3区のように「上位2名固定」型が続く選挙区が、過去10年(12年、14年、17年の衆院選)に限ると100。親子世襲の候補も含めると105あった。

 また、岸田氏の広島1区や河村氏の山口3区のように、小選挙区制の導入以来、同一人物が当選を重ねている「1位固定」型の選挙区は全国に22(統廃合区含む)。親子や兄弟で「1位固定」型が続く場合を含めると32に上る。「1位固定」型と「上位2名固定」型をあわせると半数近い選挙区だ。

 郵政選挙や政権交代選挙など、小選挙区制は揺れ幅の大きさが注目されてきたが、比例復活の制度もあり、落選しても党からの交付金で支援されるケースが多い。よほどの不祥事で追放されない限り、当選の可能性が高い2大政党の「支部長」に居座ろうとする。

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