■楽天:60点
1位から3位まで強打者タイプの野手を揃えるという思い切った指名に踏み切った。レギュラーに中堅からベテランが揃っていることを考えると理解はできる指名だが、過去を振り返ると中川大志、西田哲朗、内田靖人、岩見雅紀と上位で獲得した強打者タイプが軒並み停滞しているという点は大きな不安要素である。また続いて指名した泰勝利(神村学園)、松井友飛(金沢学院大)の投手2人も典型的な未完の大器タイプだ。投手も野手と同様に粗削りな選手が主力へと成長した例が少ないだけに、こちらも不安が残る。どの選手も“大器”の部分に目を向ければ非常に魅力のある人材であり、チームとしても大きなチャレンジをしているという点は評価できるが、選手の完成度の部分を軽視した指名という印象は否めない。分かりやすい表現で言うと、とにかくハイリスクハイリターンに徹したドラフトだった。
(文・西尾典文)
●プロフィール
西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員