今回は痰も絡むような咳がひどく、咳き込むととてもしんどそうでした。背中を叩いてと言われ、叩くと「痛いよ!」と怒られ、思わず笑ってしまいました。今は何しても役に立ちそうにありません。

 横尾先生の絵とエッセイは嘘がつけないというお話、とても興味深いものでした。絵も心の中身をそのまま露出しているようなもの、そう思うと横尾先生の作品を見る目がまた変わります。いつも横尾先生の絵を拝見しますと、私には思いもつかない世界が広がり、圧倒されます。「ここに骸骨!?」「こんなところに男の子がいる!」など穴が開くほど見てしまいます。

 私のエッセイへのお褒めの言葉を聞き、とても嬉しかったです。ありがとうございます!

 私自身、嘘をつけない人間で、例えば自分の身長が「165cm」となっていると、「いいえ、違います! 『163cm』です!」と訂正したり、三人姉妹なのですが、瀬戸内が「お姉さんが一番綺麗だと思う」と言うと、「違います、これは正真正銘、三人の中では私がダントツです! これはきっと誰もがそう思うでしょう」などと、本気で言います。(これは嘘とは言わず、ただの思い込みなのでしょうか)

 なんとなく、そういうことにしておこう、という緩やかな気持ちが持てず、「違う!」と反論や訂正をしたくなるのです。話を盛ったり、面白おかしく事実と違うことがどうしても書けず、そのままのことしか書けません。

 実生活では口が悪く、素直になれないので、書く時ぐらいは素直でありのままでいたいと思っているからです。

 横尾先生は絵もお描きになりますし、書くこともされる。反対に苦手なことはありますか? 例えば、料理だったり、運動だったり。特にお料理をされるのか、とても興味深いです。瀬戸内が昔、北京で生活し、主婦だった時は毎日食事を作っていたと言います。餃子やタンメンが上手だそうです。

 長い付き合いのある横尾先生は瀬戸内の手料理を召し上がったことはありますか? まなほ

週刊朝日  2021年10月22日号

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