決められた金額内で商品を選ばせ計算をさせたいと思っても、小さな子どもにそうそう高額なお金は渡せません。
つまり、算数を最も身近に感じられる内容を教わる小学校低学年の時期に、リアルな足し算や引き算の出番が減っているわけです。
小学校では現在、「さんすうぼっくす」などの教材を購入し、おはじきを用いて足し算を勉強しているそうです。
紙の上での計算よりは断然リアルに感じられるでしょうが、日常と結びつけるには、やはり実際の買い物には及ばないところがあるでしょう。
■楽しく遊んだことが算数の勉強になる
先日、息子が通う放課後の学童保育で、「1000円分の好きなものを選ぼう」という、お祭りを模した企画が行われたという話を聞きました。もちろん使うお金は紙で作ったおもちゃですし、商品の値段は、現実とは異なります。
そこで息子は、私へのお土産として消しゴム、あとは自分の好きなお菓子、小さな鉛筆セットを選び、スーパーボールすくいで二つボールをゲットしました。
「もっとボールが欲しかった」と未練たっぷりに言っていたので、きっと私へのお土産を購入しなかった場合などを想定し、何個ボールをゲットできるかというシミュレーションを何度もしてみたことでしょう。
息子にしてみたら楽しく遊んだだけにすぎませんが、数学的な観点からみれば、足し算や引き算を、現実にも落とし込める形で勉強をしてきたともいえるわけなのです。
この話を聞いて、私も、「たまに家でプチ駄菓子屋さんを開いて、細かい買い物をする場所を息子に作ってみようかな」と思いました。
「機会が減ったなら、つくればいい」の精神です。
100円ショップに行くと、リアルに作られたお金のおもちゃもあったので、本格的に企画すれば、意外と本物の買い物と同じ効果が期待できるかもしれません。