日本の防衛力について、安全保障関係者は「まだまだ不十分」と断言をする。しかし、どこまでやれば十分になるという答えなどない。
しかも、なにをどこまでやるか、という話には限りがないが、財源には限りがある。
日本の財布は一つ。なにかを増やすということは、なにかが削られるということ。もしくは、借金という負の遺産を後世に残すということ。
政府だけで決めないで、国会で徹底的に議論して、あたしたちにも未来について考えさせてほしい。
室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中
※週刊朝日 2022年11月25日号