その上で、コロナ禍では伝統的な選挙活動である、大規模集会や一対一の対面依頼ができなかった。その代わり、SNSや動画配信、オンライン会合などをやっており、公明党と創価学会の意識も相当変わった。だが、それがなかなか数字に結びつかない部分もある。あと2週間の選挙戦では、積極的に訪問などを増やしていき、アナログとデジタルを合わせたバイブリッドな選挙活動をしていきたい。
――今回の衆院選は「政治とカネ」の問題も争点になりそうだ。公明党の斉藤鉄夫副代表が出馬する広島3区は、大規模買収事件の舞台となった前法相・河井克行被告の選挙区。公明党も「政治とカネ」の説明は果たしていくべきでは。
もちろん説明が求められれば、一人一人に丁寧に説明していき、マスコミにも、その都度回答していく。
――財務省の公文書改ざん事件、「桜を見る会」問題、自民党本部から河井陣営に支出された1億5000万円の使途などについて、公明党から自民党に再調査や説明を要求するアクションを起こしてもいいのでは。
公文書改ざん事件は財務省、「桜を見る会」は安倍晋三事務所、1億5000万円は自民党と、それぞれ説明責任を果たす主体ははっきりしている。公明党から言われるまでもなく、それぞれの主体が自ら責任を持って説明すべき問題だ。
――公明党からアクションを起こすことは?
特にない。
――では公明党は「政治とカネ」の問題にどうケジメをつけるのか。
当選無効となった国会議員の歳費返還を義務づける法改正を進める。河井案里氏が当選無効になった後も歳費や文書交通費が全額支払われたことには、国民から強い批判があった。それに対して、相当の割合を返納させることができる法律に改正することを8月末に自民党と合意した。総選挙後、法改正を進めていくことになるが、これがひとつのケジメになると思っている。
――8月には、貸金業法違反容疑の関係先として、東京地検特捜部が、公明党衆院議員2人の議員会館事務所を家宅捜索したこともあった。