※写真はイメージです(写真/Getty Images)
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 マスクを着用するとその下の皮膚は暖かく湿った閉塞感のある環境となります。この状況下では黄色く厚いフケを伴うタイプの湿疹、いわゆる脂漏性皮膚炎が発症しやすくなります。閉塞感を少なくするためにはウレタンマスクがよいのですが、これはコロナ感染予防の観点からはおすすめできません。ウレタンマスクでは十分に飛沫を防げないと言われています。会話の際は不織布マスクをしていただきたいですが、誰ともしゃべることがないデスクワークの時間だけはウレタンマスクに変えておくという手段もありだと思います。

 ほおや鼻の頭が赤くなる「酒(しゅ)さ」という病気があります。酒さは、長時間のマスク着用によって誘発されたり、悪化したりすることがあります。酒さの原因の一つにニキビダニという皮膚に寄生するダニが考えられています。そのため、海外ではメトロニダゾールクリームやイベルメクチン1%クリームなどの外用薬を使用します。残念ながら日本ではこれらの薬剤が保険診療では使用できないため、ニキビと同じ薬剤を使って治療します。酒さの症状が重い場合には、抗生剤の内服も行います。

 マスクによる湿疹だと思って放置しておくとよくない皮膚病変もあります。ほおから鼻の頭にかけて生じる蝶の形をした赤みは蝶形紅斑(ちょうけいこうはん)と呼ばれ、これは全身性エリテマトーデスという膠原病の皮膚症状です。必ず皮膚科を受診し、内科的な病気が隠れていないか調べてもらう必要があります。

 以上、マスクに関連した皮膚疾患についてまとめました。マスクはこまめに取り換えてできる限り清潔に保ち、マスクに汚れを残さないようにするのもマスクによる皮膚トラブルを避けるポイントの一つです。長く続く皮膚のトラブルは放置せず、必ず皮膚科を受診するようにしましょう。

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