小室圭さんと結婚して、皇籍を離脱する眞子さま。京都産業大学の名誉教授、所功さんは、結婚後も「品格保持に努めてほしい」と願っているという。
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眞子さまと小室圭さんがご結婚されることはおめでたい、というほかありません。
ただ、心からお祝いを申し上げることには少し躊躇します。とはいえ、このご結婚が注目されることは、意味があると考えています。この機会に、眞子さまだけでなく、今後の皇室のあり方への本質的な見直しもできるからです。
眞子さまは宮家に生まれて育たれた、皇族身分の「純公人」として「品格保持」に努めてこられました。とくに大学卒業のころから多様な公務に尽くされてきたことには、感謝を申し上げたいと思います。
しかし、このたびのご結婚は、「朝見の儀」など古来の儀式を執り行われないとお聞きします。長い皇室の歴史のなかで続けられてきた儀式は、単に形式を表すだけでなく、その時々の節目を大切にして行われてきたのです。そこには形にこめた「こころ」があり、それを受け継ぐことが伝統だと思います。
かつて古代から中世まで伊勢の斎宮に「斎王」という聖女が朝廷から派遣されていました。斎王とは、皇室の祖神と伝えられる天照大神に仕え、国の平安を祈りながら日々を慎む未婚の皇族女子です。この斎王は、天皇が即位されると、占いで選ばれ、身を清めてから伊勢へ旅立ちました。