
激しい優勝争いを繰り広げた阪神。その原動力になったのが、「若い力」だ。特に昨秋のドラフトで指名された選手たちの活躍が目立つ。
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1位で入団した佐藤輝明は広い甲子園を本拠地に新人左打者最多の24本塁打をマークし、75年ぶりに記録を更新した。8月下旬から59打席連続無安打の試練を味わったが、それでも首位快走を牽引した前半戦の大活躍は色褪せない。2位で入団した左腕・伊藤将司もチームに不可欠な存在に。24日の広島戦で6回途中1失点の好投で新人最速の2ケタ勝利に到達。阪神の新人左腕では1967年の江夏豊氏以来の快挙だった。そして、「陰のMVP」の呼び声高いのが6位の中野拓夢だ。俊足巧打のプレースタイルで、4月下旬にレギュラーの座を奪い、2位の近本光司に6差をつける30盗塁をマーク。失敗は2つのみで盗塁成功率93.8%と驚異的な数字を誇る。
「佐藤、伊藤、中野がいなければ阪神はこの位置にいないでしょう。それほど貢献度は高い。この3人だけでなく、若手の台頭が目立つ。先発陣は高橋遥人がシーズン終盤に復帰して抜群の投球を見せている。救援陣は小川一平、及川雅貴が台頭し、野手も島田海吏、小野寺暖と頭角を現している。将来が楽しみな選手が多い」(スポーツ紙記者)
一方で、期待外れに終わった選手たちもいる。最大の誤算はエース・西勇輝だ。6勝9敗、防御率3.76。前半戦は打線の援護に恵まれない登板が多かったが、夏場以降は集中打を浴びて大量失点を喫する場面が目立った。マウンド上での立ち振る舞いが物議を醸した時も。今月13日の巨人戦で先発した際、右肘の違和感で2回途中に緊急降板。投手コーチや捕手の坂本誠志郎がマウンドに駆け寄る前に、三塁ベンチに消えたまま戻ってこなかった。この態度に対し、「自分勝手すぎる。投げられないのは仕方ないが、マウンド上で次の投手が来るのを待つべき」と苦言が相次いだ。
復活が待たれる藤浪晋太郎も好調が長続きしない。巻き返しを狙った今年はオープン戦で快投を続け、プロ9年目で自身初の開幕投手に抜擢された。だが制球難が解消されず、6月以降は救援に配置転換。結果を残せず、9月10日に登録抹消されて以降はファーム暮らしが続いている。3勝3敗4ホールド、防御率5.21。持っている能力は高いだけにもどかしい。