東京以外でも高値が続く。写真は武蔵小杉駅周辺のマンション群(C)朝日新聞社
東京以外でも高値が続く。写真は武蔵小杉駅周辺のマンション群(C)朝日新聞社

 そうやって高値で仕入れた土地でマンションを開発して、約1年後に販売を始める。当然、販売価格は1年前の市場価格より高い。だからスムーズには売れない。

 ところが、そういう物件でも立地が都心やその周辺エリアだと、時間をかければなんとか売れてしまうというのが現状だ。

 では、都心やその周辺の高値マンションを誰が買っているのか。主に2つのグループに分かれる。

 まず、都心で1億から数億円になるような高額物件を買っているのは、富裕層と外国人である。彼らは「住むため」というよりも、趣味や投機で購入する。だから、都心のタワーマンションなどは、建物が完成しても誰も住んでいない住戸が多い。

 富裕層たちはコロナ禍によって、この2年間、海外旅行ができていない。だから趣味で高級外車を購入したり、高級腕時計を買いあさったりしている。同じような感覚で「都心にもう一部屋マンションを買うか」と購入を決める。そのように趣味で購入した人は、セカンドハウス的に利用するケースもあるが、投機で購入した場合は、値上がりすればすぐに売れるように空室のまま保有する。だから誰も住んでいないのだ。

 もうひとつは、パワーカップルと呼ばれる若年ファミリー層。世帯年収が1400万円を超えている小家族である。彼らが夫婦で住宅ローンを返済するペアローンを組んで、7000万円から1億円程度の物件を購入している。金利が史上最低の今なら、年収の7倍程度の住宅ローンを組むことができる。

 パワーカップルたちは、特に湾岸のタワマンなどを好んで購入する主力層になっている。彼らは「住むため」に買っているので、建物が完成すると入居する。

 今の高学歴カップルはダブルインカムが普通になったので、世帯年収が1千万円を超えることが珍しくなくなった。彼らの購入力向上は、ここ数年のマンション価格高騰を支える基盤のひとつと言ってもいい。

 マンションデベロッパーの仕入れ担当者に取材すると、都心エリアにおける土地価格の上昇基調は現在も変わらないという。

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コロナ対策の「特別予算」が不動産へ