表は、編集部で各党の政策パンフレットなどを参照し、生活者の収入や支出に関わる主な政策をまとめたものだ。「政策が国民に対し訴えるものになっているか」「政策が課題の解決につながるか」「財源や国会内での勢力の面からみて実現性はどの程度あるのか」の3つを、それぞれ「魅力度」「効果」「実現度」として、A~Eの5段階で評価してもらった。

「家計支援」の政策が充実しているのは野党だ。立憲民主党は、先に上げた消費税の5%への減税と年収1千万円程度までの所得税ゼロに加え、低所得者への年額12万円の現金給付を掲げている。その他の野党も消費税や所得税の減税、給付金の支給などをあげる。

 小黒教授は立憲民主党の政策をこう見る。

「財源を国債発行(借金)で賄うのは政策としてあり得るが、その償還(返済)をどうするのか、道筋を見せる必要があるが、立憲の政策からはそれが見えてきません。コロナ禍で疲弊した低所得者に12万円の給付金を出すという政策はまだ理解できますが、年収1千万円程度まで所得税を実質的に免除するというのには、なぜ1千万円なのか、よくわからない。バラマキ的な狙いを感じます」

 他方で、小黒教授が評価したのが国民民主党の政策だ。国民民主党も一律10万円などの政策を掲げるが、同時に、一定以上の高所得者に対しては年度末の確定申告時に所得税を課税する「所得連動型給付方式」を掲げている。小黒教授は「一度全員に配ってから、給付の必要のない高所得者からはお金を戻してもらうという制度設計は、理に適っている。単なるバラマキとは一線を画しており、評価できる」と話す。

 維新が掲げるベーシックインカムについては、こう指摘する。

「仮に年間100兆円程度の財源が必要だとすると、消費税をさらに35%引き上げる必要がある。そのような増税はできないので、現在の社会保障給付費から財源をねん出するとなる。年金を廃止すれば57兆円をねん出できるが、それでも残りの43兆円をどうするか。医療保険や介護保険にも手をつけ、大幅カットするのか。いずれにしろ現在の社会保障制度を大きく変える必要があり、一つの政策としては否定しませんが、国民的合意が取れるかというと疑問が残ります」

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自民党の政策は「魅力に乏しい」