また、この試合はこの2本のアーチだけではなかった。7対7で迎えた同点の9回裏一死の場面で四球で出塁すると、2死後に今季12個目の盗塁となる二盗に成功。すると、その後 のウォルシュのライト前ヒットで劇的なサヨナラのホームインを踏んで試合を決めた。

 ウォルシュの打球は痛烈で本塁上のプレーは微妙なタイミングだったが、大谷の走力が勝りセーフに。スライディングで捕手と接触しながら本塁生還後、仰向けになったままガッツポーズする姿は今季のハイライトの一つでもある。2本のホームランだけでなく、なんでもやってのけてしまう大谷に対しては、

「私の最もお気に入りの野球のシーン。まるで映画のシーンのようだね」

「ショウヘイはいつも野球を映画のようなものにしてしまう」

「彼は公式に私のお気に入りとなりました。ちなみにヤンキースファンだけど」

「野球の歴史に長く残る試合になるだろう。忘れているかもだけど、彼はホームランも2本打っているだよ」

 と台本があるかのような活躍を「映画」というワードで表現するコメントも見受けられた。

 開幕から投打で好調をキープした大谷は、その勢いそのままに自身初となるオールスターに選出。指名打者(DH)部門でトップの投票を獲得し、ホームラン競争にも出場した。翌日7月14日の試合ではメジャーリーグ史上初となる先発投手と1番・DHでの“リアル二刀流”での出場を果たし、日本でも大きな話題となった。

 打者としては2打席凡退に終わったものの、投手としては1回を無失点に抑える投球を披露。ここでは試合でのパフォーマンスははもちろんのこと、

「本当に品のある選手。とても謙虚で成功することを願ってならない」

「彼は素晴らしい二刀流の選手というだけでなく、とても謙虚で優しそうにも見える。これが多くの人から注目を浴びる理由だと思う」

「私は野球のファンではないですが、今は大谷に夢中になっています。彼はとても謙虚な人に見えますね」

 とマウンド上での表情や立ち振る舞いに好感を抱いている人のコメントが多い印象を受けた。

 このように、とにかく大谷の前半戦の活躍は凄まじいものがあった。そしてファンは投打での活躍に加えて、常に謙虚にニコニコとプレーする様子に魅了されていたようだ。

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最後の最後まで“魅せた”今季の大谷