ついに実現した「野党共闘」。山口教授は「成果は明らか」と話す一方、立憲民主党の体質改善の必要性も指摘した photo gettyimages
ついに実現した「野党共闘」。山口教授は「成果は明らか」と話す一方、立憲民主党の体質改善の必要性も指摘した photo gettyimages
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 10月の総選挙では、共産党を含む「野党共闘」が各党の戦略に少なからぬ影響を与えた。今後の野党共闘の行方は、来年7月の参院選でも大きな焦点になりそうだ。市民連合サイドから、共通政策のとりまとめなどを主導した山口二郎・法政大学教授に、総選挙の結果に表れた民意の読み方と野党共闘の展望を聞いた。

【写真】インタビューに答えた山口二郎さん

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――枝野幸男代表(57)の辞任に伴う立憲民主党の新しい代表選びは、19日告示、30日投開票の予定で、約10万人と言われる党員・党友も参加します。女性候補も名乗りを上げましたが、共産党との「野党共闘」には連合からの反発が強く、大きな争点になりそうです。

「野党共闘をやめる」という選択肢はもうない、と思います。立憲の代表選に意欲を示しているとされる4人=小川淳也(50)、大串博志(56)、泉健太(47)、西村智奈美(54)の各氏=の顔ぶれを見ても、いずれも「野党共闘」で当選した人たちです。共産党らとの共闘の力を身に染みて感じています。

■連合内部にある考え方の違い

――しかし、問題は深刻です。連合の芳野友子・新会長は「共産党との閣外協力はありえない」などと強く反発しています。7月の参院選でも、連合は「共産党を含めた野党共闘」に反対し続けるのでしょうか。

 連合内部では、民間労組と官公労との間に考え方や路線の違いがありますが、新会長の芳野さんは、民間4産別(UAゼンセン、自動車総連、電機連合、電力総連)の支持で就任した方です。路線論争を続けるのは不毛だと思うので、連合は今後、ナショナルセンターであることをやめ、政治活動は「地域ごと産別ごと」に自由に行うという方針を出すべきだと考えています。

 連合は結成以来、「非自民、非共産」でやってきましたが、2019年の参院選では、自治労、日教組とは別に、民間労組の独自の動きもあったので、産別や地域別に政党支持を打ち出すことは可能だと思います。今の連合指導部が「自民党政権を倒す」という政治的目標をどれだけ持っているのか、疑問はありますが。

 一方で、来年改選を迎える参院議員のなかで、山形県と大分県は、国民民主党の現職を統一候補にしなければなりません。勝つためには、民間も官公労産別も市民連合も参加して、一本化調整をしなければならないという問題も出てきます。

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