アメリカの最高裁判事のフェミニスト、故ルース・ベイダー・ギンズバーグは性差別の激しい時代に司法試験に合格したが、弁護士事務所は女性に開かれていなかった。女性であるがゆえに弁護士としての仕事の機会に恵まれないなかでギンズバーグは、女性差別法律を一つ一つなくしていくことに人生をかけた。男性への逆差別だ!危険な思想だ!と怒りを買いながらも、女性差別法律をただしていった。
ジェンダー平等? 選択的夫婦別姓? それは経済問題よりも重要なことなのか?と笑う声はいまだに日本に根強くあるが、そんな余裕のある人たちの冷笑では誰も救えない。余裕なく、感情的に、ジェンダー平等を泣きながら訴えるような声に、冷静に真摯に謙虚に耳を傾けられる政治家がいなければ、弱い者はさらに弱いところに陥ってしまうだけだ。
ジェンダー平等を本気の政策にするためにも、まず政治家たちが信じてほしい。社会の半分の性が何によって虐げられているのか。どのような現実を生きているのかを、直視してほしい。