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 1988年から続く人気番組『探偵!ナイトスクープ』(朝日放送系)。スタジオを探偵事務所に見立て、視聴者(=依頼者)からの疑問や謎などを探偵局員が調査し、その過程のVTRを流す番組だが、お笑い芸人のカンニング竹山さんは探偵局員として出演している。この番組で最近、竹山探偵が依頼人の全盲の女性に投げかけた言葉にネット上では「竹山探偵の言葉に涙止まらなくなった」「深すぎて泣きそう」などのコメントが寄せられた。いったい、何が?

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 竹山探偵の僕が全盲の女性に投げかけた言葉がネットで話題になったのは有難いことです。長野県在住の21歳の女性からの依頼は「大好きないかりや長介さんと話がしたい」というもの。いかりや長介さんの声マネのレッツゴーよしまさくんっていう芸人を呼んで、ロケする時にはオチがどうとか決まっていないんですよね。だから、依頼者さんと探偵の僕と3人でベンチに座って真剣に話すわけですよ。ただ、それだけのこと。

 僕が全盲の女性に投げかけた言葉がどうだったというよりも、出演している探偵は誰が行っても同じなんですよ。なぜなら、探偵はみんな、依頼者さんに対して「愛」を持って番組に関わっているから。

 依頼者さんからのメールやはがきにある悩みや疑問、謎に対して、いかに幸せに解決するかをスタッフみんなで考えるというのが基本理念にあります。なおかつ、それが面白くなったら、こっちは嬉しいけど、必ず依頼者さんを傷つけないようなVTRにまとめる。「せっかく、依頼を送ってテレビに出ることになったのにすごい嫌な気持ちになった」「すごく迷惑だった」というのはトンデモないことだから。

 そこに、ナイトスクープが30年以上続く人気の秘密があって、この番組の何がすごいかと言うとまず、制作スタッフが優秀。依頼者さんにとっては、テレビの撮影に参加するのは一生に一度のことだから、いつもテレビに出ている我々がやっているようなことに慣れてはいけない。依頼者さんの「こういうことをやりたい」とか「こういう疑問があります」にちゃんと答えるという基本姿勢を徹底して守っている。

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みんなの目標がひとつになっているのが番組の強み