川田裕美さん(撮影/加藤夏子・写真部)
川田裕美さん(撮影/加藤夏子・写真部)

 伝え方を少し変えるだけで、「こんなに楽になるんだ!」というのは発見でした。それまでの私は「先輩としてちゃんと叱らなきゃ」と思い込んでいたのでしょう。相手の言動が気になったり、戸惑いを感じたりしたときには、「質問をする」手法を取りいれるようにしたことで、後輩とのコミュニケーションが増え、徐々に、いい関係を築けるようになりました。

■自分に合った伝え方を探すコツ

 会議などで意見が対立してしまったときにも、多くの場合、ストレートに反対意見を伝えないほうが、うまくいく気がします。「こっちのほうがいいと思います」より、「そこにこういった視点を加えてみませんか?」といった柔らかい表現を使うことを意識したり、第三者にも意見を求めたり。

 もちろん、現場の意見として、筋を通さなければならない場面もありますから、覚悟を決めてビシッと伝えるときもありますが、そのような場合も、あとで直接「さっきは強く言ってしまって、すみません。〇〇さんに抗議するつもりはなく、こういう背景があったんです」とフォローすると、より真意が伝わると思います。

 人によってコミュニケーションの得意・不得意はあります。

 どうすればいいかわからないときは、ひとまず、先輩から教わった方法を真似たり、本に書いてあることを試してみるのもいいでしょう。「これは自分には合わないな」と思えば、何が合わないのかを考え、自分なりのやり方を模索していけばいいのです。

 自分らしくできる、ストレスの少ないコミュニケーションのとり方がきっとあるはずです。

(構成/猪俣奈央子)

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