美星天文台とともに望む天の川と流れ星(写真提供:美星天文台)
美星天文台とともに望む天の川と流れ星(写真提供:美星天文台)
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 澄んだ空気に星が映える季節。今月1日、岡山県井原市の美星町(びせいちょう)が「星空保護区」に認定された。認定したのはアメリカに本部を置くNPO「国際ダークスカイ協会」。国内では沖縄県・石垣島周辺、東京都・神津島に次ぐ3番目となる。これらの自治体では美しい星空を観光の目玉にしようと、鑑賞スポットが整備され、星空ツアーなども企画されている。

【星空保護区の美しい夜空の写真はこちら】

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「大手旅行会社がコンスタントにツアーを組んでお客さまが美星町を訪れます。昼間は倉敷の美観地区を観光した後、夜、バスでやって来て、星空を楽しまれるお客さんが多いですね」

 そう説明するのは、美星町観光協会の小川貴史さん。

 星空観光の目玉は、小高い丘の上にある美星天文台。銀色のドーム内には口径101センチという、巨大な望遠鏡が設置されている。普段から一般に公開されている天体望遠鏡としては国内最大級という。

「公開型の望遠鏡でこれだけ大きなものはとても珍しいんです」(小川さん)

 木星のしま模様や土星の輪などがくっきりと見えるほか、星雲や星団も楽しめる。

 天文台の前には「星っ子広場」が整備され、芝生に寝転びながら満天の星空を堪能できる。

8月に美星町で開催された「ペルセウス座流星群を見る会」(写真提供:美星天文台)
8月に美星町で開催された「ペルセウス座流星群を見る会」(写真提供:美星天文台)

■条例で星空を守ってきた美星町

 美星町は以前から「星の郷」として知られてきた。1988年、環境省から「星空の町」に認定され、翌年、町は美しい星空を守るため、全国に先駆けて「光害防止条例」を制定した。

「光害」とは、本来は暗い夜空が地上の照明によって明るく照らされ、弱い星の光がかき消されてしまうこと。

「条例によって防犯灯以外の屋外照明は22時以降、消灯するようにお願いをしてきました」(小川さん)

 そして今回、星空保護区の認定に向けて井原市と同町観光協会が動きだしたのは2019年。

「日本初の光害防止条例の施行から30年がたち、あらたな目標として星空保護区を目指したんです」(小川さん)

 星空保護区は国際ダークスカイ協会の認定制度で、「コミュニティ」「パーク」「サンクチュアリ」など認定地が5つの部門に分類されている。

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