石垣島・星空ファームでゆったりくつろぎながら天の川を眺める(写真提供:星空ツーリズム)
石垣島・星空ファームでゆったりくつろぎながら天の川を眺める(写真提供:星空ツーリズム)

■星空観光が定着した石垣島

 そして石垣島は、18年に日本で初めて星空保護区に認定された地域。

「いま、石垣島には星空ツアーがたくさんありますが、たぶん、うちがいちばん老舗だと思います」と、語るのは、同島で「星空ツーリズム」を営む上野貴弘代表。

「実は、星空保護区の認定も、私が行政に働きかけて、申請したんです」

 上野さんによると、最近、美しい星空を目当てに石垣島を訪れる観光客が増えているという。

「昔は、マリンレジャーがメインの観光コンテンツだったので、『星空はついで』に、という感じだったんです。でも、いまは逆に、星を見るのを主目的に石垣島を訪れる観光客の割合がすごく増えてきました」

 なぜ、石垣島の星空はそれほどまでに観光客を引きつけるのか?

「石垣島は有人島としては日本のほぼ最南端にあるので、南十字星など、南半球の星や星座を楽しめるんです」

 なかでも人気の星空観賞スポットは空港から車で約20分とアクセスのよい「星空ファーム」。

「少し高台になっている場所で、夜は360度、星に囲まれている感じになります。ツアーではリクライニングチェアでゆったりくつろいでいただきながら専門のガイドが星空を案内します。双眼鏡や望遠鏡を使った天体観測も行っています」(上野さん)

石垣島・玉取崎で天の川を背景に記念撮影(写真提供:星空ツーリズム)
石垣島・玉取崎で天の川を背景に記念撮影(写真提供:星空ツーリズム)

 島の北部、玉取崎の星空保護区に認定されているビーチでは、天の川をバックに記念写真を撮影するサービスつきのツアーも催行している。

「水平線から立ち上る天の川や南十字星がすごくきれいに見えるポイントです。みなさん、肉眼で見える星の数の多さに驚きますね。いまの時期ですと、アンドロメダ銀河やすばる星団を双眼鏡で見ると、とても迫力があります」(上野さん)

 ただ、残念ながら、石垣島は亜熱帯気候で、冬は雨期となる。星空観光がもっともにぎわうのは夏という。

「夏は晴天率も高くて、天の川もよく見えます」(上野さん)

 美しい南天の夜空を見上げるナイトツアー。心身ともに癒やされそうだ。

(AERA dot.編集部・米倉昭仁)

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