俳優、脚本家の佐藤二朗さん
俳優、脚本家の佐藤二朗さん
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 個性派俳優・佐藤二朗さんが日々の生活や仕事で感じているジローイズムをお届けします。今回は、最近「やってしまった」ことについて。

【写真】最近、妙にイラついている人へ。佐藤二朗さんの仏の笑顔

* * *
 やってしまいました。

 基本的に常に何かをやってしまいがちな僕ですが、今回は本当にやってしまいました。

 昨日、家で書き物をしていまして。なかなか捗らず、気分転換に家の中をウロウロしてたんですね。で、急に「お!このアイデアはいけるかも!」と思いつきまして、急いで書斎の椅子に座ろうとしたら、右足の小指を椅子の足にしたたかに打ちつけてしまいました。

「ギャッ」って言いました。

 僕、「ギャッ」って言ったんです。

 この「ギャッ」には理由がありまして。実は今年の春先にも僕は右足の小指を椅子に打ちつけているんです。まさか1年に2回も同じ箇所を!という悔恨を含んだ「ギャッ」なわけです。それがなければ52歳の大人が、そんなみっともない擬音は口にしません。

 あれは今年の3月くらいだったかな。来年1月公開の映画「さがす」の撮影が休みの日に、家で書き物をしていて、いいアイデアが思いつき、急いで書斎の椅子に座ろうとして右足の小指を椅子の足に激しく打ちつけ、「ギャッ」って叫んだんです。

 同じじゃないか。今回とまるで同じじゃないか。そして「ギャッ」って言ってるじゃないか。

 この時はそのあと小指が紫色になりまして。ただ、翌日から再び連日の撮影だったものですから病院に行く時間はなく、多少は痛かったものの、なんとかなると思って放っておいたんですね。でも鈍い痛みが結構な期間残り、このとき多分、ヒビくらいは入ってたんだと思います。でも、そのうち鈍い痛みもなくなり、まぁヒビが入ってたとしても、自然にくっついたんだろうなと。皆さん、これ悪い例ね。しっかり病院には行きましょう。

 とにかく、そんな右足の小指を再び同じように打ちつけたものですから、そりゃ「ギョエッ!」くらいは言うわけです。微妙に擬音が進化を遂げておりますが、要するにそれほどショックだったということです。

 ただ、前回ほど激しく打ちつけてはいない感じがして、まぁ大丈夫だろうと書き物を続けていたんですが、立ち上がり歩いてみると、わりと結構、痛い。

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痛みに弱い俺だが、今回の痛みは……