國學院大の殿地琢朗
國學院大の殿地琢朗
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 いよいよ新春の箱根を残すのみとなった学生三大駅伝。駒澤大と青山学院大の“2強”による優勝争いが有力視される中、駒澤大の大エース・田澤廉(3年)、青山学院大の新エース・近藤幸太郎(3年)の争いのほか、史上最強ランナーの呼び声高い東京国際大のイェゴン・ヴィンセント(3年)、東京五輪にも出場した順天堂大の三浦龍司(2年)、スーパールーキーとして好走を続ける東洋大・石田洸介(1年)などのランナーが注目を集めているが、彼ら以外にも箱根路の主役として一躍ヒーローになれる可能性を持つ者たちは多くいる。

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 一人目は、國學院大の殿地琢朗(4年)だ。毎年、箱根を制する上での大きなポイントとなる5区山登り。1年時に8区12位、2年時に10区4位だった殿地は、3年生だった前回の箱根で、卒業した浦野雄平の後継者として山登りの5区を任されたが、結果は1時間13分25秒の区間8位。しかし、山への思いは強いままだ。

 最終学年となり、持ち前の粘り強さに磨きをかけると、箱根5区の前哨戦と言われる激坂最速王決定戦(11月13日)で、「3代目・山の神」神野大地(セルソース)に次ぐ全体2位、学生トップでゴールし、大きな自信と手応えを得た。チームは出雲、全日本でともに4位。「激坂王」の称号を手にした男の “登りっぷり”いかんで、國學院大が“2強”に割って入るレース展開が可能になる。

 同じく今年の激坂最速王決定戦で好走し、箱根のキーマンに挙げたいランナーが、明治大の下條乃將(3年)だ。東京実業高出身で、高校卒業直前の青梅マラソン(男子10キロ高校生の部)で優勝。その当時から「箱根の山登り」への憧れを語っていた。大学2年間は箱根メンバー外も、前述の激坂最速王決定戦でチームトップとなる全体7位でフィニッシュした。

 前回の箱根で“まさか”のシード圏外11位に終わった明治大だが、今年の予選会では断トツで通過を果たすなど、十分に上位を狙えるチーム力がある。その中で、自らの座右の銘「一走入魂」のハチマキを巻いた魂の男が、5区で持ち前の積極的な走りを見せることができれば、チームも優勝争いに加われるはずだ。

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