Pallet 代表取締役 羽山暁子さん/インテリジェンス(現パーソルキャリア)を経てブレインパッドに入社。19年にPallet設立(写真:本人提供)
Pallet 代表取締役 羽山暁子さん/インテリジェンス(現パーソルキャリア)を経てブレインパッドに入社。19年にPallet設立(写真:本人提供)

「研究によって、エンゲージメントは『やる気を出せ、やりがいを感じろ』と言ったところで感じるものではないということがわかりました。では何の結果かと言うと、このピラミッドのように、下から上に相関性があることがわかったんです」

■定期的な1on1を

 ピラミッドは下から順に「つながり、安心、自分らしさ、自信、幸せ、勇気、やる気、やりがい」と重なっている。

「人とのつながりを感じて、この会社で安心して働けるという感覚を持てると、自分らしさをもっと発揮していいんだという感覚が醸成されて、自信を持って『これをやってみます』と一歩踏み出せるようになります。それを周りから評価され、承認してもらえると、幸せ感が増す。すると勇気を持ってチャレンジできるようになる。その結果、初めてやる気ややりがいを感じられるようになるのです」

 各段階における具体的な施策については、図の右側に一例を示したが、正解があるわけではない。目指すものに合わせて各社で作っていくしかないが、羽山さんが最も効果的と見ているのが「定期的な1on1(上司と部下が1対1で行う面談)」だという。

 1on1の目的は、部下のメンタルやコンディションを上司が把握し、部下の思いを伝えてもらうこと。その目的を上司側がよく理解せずに進捗(しんちょく)確認と混同するケースが多いという。

「1on1は相手を受容し、共感し、承認する場です。上司が“言われたことを解決しなきゃ”と思ってしまうと、部下にも依存が発生する。そうではなく相手の価値観を引き出しながら自分で実現する手段を考えて行動できるようにサポートするのが、コーチング型のマネジメントです」

 一人ひとりの色を生かし合うことで、見たこともないような絵が描かれたとき、私たちの心は満たされ、動かされる。(編集部・高橋有紀)

AERA 2022年11月7日号より抜粋

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