映像作品にも数多く出演するが、今回のような舞台での演技との使い分けをこう語る。
「映像のときにはなるべく抑えるようにしている表現を、舞台では発声も含めて存分に出せる気がするんです。舞台が終わるたび、またやりたいな、こんな役にまた出会いたいなという思いになります」
自由を求めるトム。自分にとっての「自由」とは何かとたずねると、「外に出て、友人と気兼ねなくご飯を食べること」と笑った。
「お寿司屋さんのカウンターで日本酒を飲んで、ゆっくりお話ししながら食べたいです。今まで当たり前だったことができないのがこんなに窮屈だったのかと感じました。それがトムの環境や心境とリンクするような気もして、役をつかむヒントになりました」
去り際に好きな寿司ネタを聞くと、振り向きざまに……、
「アジです! よく行くお寿司屋さんでは毎回3回頼みます!(笑)」
(文/本誌・太田サトル)
岡田将生(おかだ・まさき)/1989年、東京都生まれ。2006年デビュー。近年の主な出演作は、映画「ドライブ・マイ・カー」「聖地X」、テレビドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」、舞台「ブラッケン・ムーア~荒地の亡霊~」「物語なき、この世界。」など。主演舞台「ガラスの動物園」の東京公演は、シアタークリエで12月12日から上演。
※週刊朝日 2021年12月17日号