
少し傾きかけた冬の光が差し込むなか、自らも白く発光するような眩しさをみせる俳優・岡田将生。自分にとっての自由とは何か、考えてみた。
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2021年も映画「さんかく窓の外側は夜」やテレビドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」など、さまざまな作品に出演してきた。それぞれの役によって向き合い方は異なるかと聞くと、「同じです」と答えた。
「楽しもうという気持ちがまずあって、そこはどの作品、どの役も変わらないです。そこから監督や演出家が求めるものを話し合い、意見を合わせながら役を作り上げていくことが多いです」
12月12日から上演される主演舞台「ガラスの動物園」は、劇作家テネシー・ウィリアムズ作で1945年のブロードウェーでの初演以来さまざまな国と時代で上演されてきた名作戯曲。30年代のアメリカを舞台に、自分の夢と、自らが支える母や姉への思いの狭間で葛藤する主人公・トムを演じる。
「俳優の仕事を始めるときに、一人で戦ってみたいという思いで実家を離れました。わかったことは、親の偉大さですね(笑)。家事ひとつとっても、こんなに大変なことを毎日やってくれていたのかと。生まれ育った街を出たトムも、そういう気持ちになったこと、あったかもしれませんよね」
本作との出会い、そして昨年から続いたコロナ禍で、あらためて家族や共演者などとの絆を意識することができたという。
「家族はやっぱり自分にとって一番に考える存在ですね。コロナ禍によって、より密に連絡をとるようになりました。人とのコミュニケーションがとりづらい時期が続いたからこそ、現場で実際に会って、直接話し合い、助け合いながら作品を作り上げていくことの大切さも強く感じました」