ザ・ワイルドワンズの4人。左から島英二、植田芳暁、鳥塚しげき、加瀬友貴(加瀬邦彦次男・2016年加入)
ザ・ワイルドワンズの4人。左から島英二、植田芳暁、鳥塚しげき、加瀬友貴(加瀬邦彦次男・2016年加入)

 昨年から世界的に流行した新型コロナの影響で、ミュージシャンたちはリアルでのライブ公演の中止を余儀なくされ、配信ライブという新しい形態を模索してきた。それまで、ザ・ワイルドワンズもコロナ前までは、リーダーの加瀬邦彦さんが開いた「ケネディハウス銀座」を中心に月1回の定期公演を行っていたが、試行錯誤しながら配信ライブに臨んだそうだ。

「ケネディハウスには初期段階から良質な配信設備が整っていたので割と早い、2020年の7月ごろから無観客配信ライブをしていましたね。最初は慣れなくて、いつまでこの状況が続くんだろうと途方に暮れていました。だってお客さんの拍手も反応も見られないんですよ。それに植田くん(植田芳暁)やとりさん(鳥塚しげき)がMCで面白いことを言っても、いつもは客席とのキャッチボールがあって話も膨らんだのに、それがないから事前に話すこともしっかり決めておかないといけなくなって」

 だが、慣れてくるとだんだんコツがつかめるようになっていった。

「カメラに向かってニコっと笑うようにしてみたり指をさしてみたりして、配信でもお客さんに喜んでもらえるよう工夫を重ねてゆきました」

 ここ数カ月は感染状況が落ち着いてきたこともあり、ケネディハウスでのライブは有観客と配信を併用しているという。

 ウィズコロナの時代、今後ワイルドワンズはどのようなライブ活動をしていくのだろうか。

「僕たちのようなシニアがスマホを持つようになって、ファンの方々だけでなく、昔ワンズのライブに来てくれた人、なかなか行く機会がないという人、足腰が悪くなって遠出できない人などいろんな方が一斉にライブを見られるようになったというのは本当にすごいこと。北海道や九州の方、サンフランシスコから見てくれる方もいて。だから配信になって喜んでくれた人もいました」

 一方で、不安だからと外出を控える人が今後も一定数いるのは現実だ。

「ライブは同じ空間で、僕たちが汗かきながら楽しんでいるところを見てもらったり、ドラムやベースの低音がドンと胸に響いてくる臨場感を味わったりしてほしいというのが本音。やっぱり生で見てみたいよと思ってもらえるよう、これから僕たちは努力しなくちゃいけないと思っています」

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