巨人の菅野智之
巨人の菅野智之

「相手球団の選手と口をきくな」と言われていた一昔前なら考えられなかった。巨人・菅野智之が契約更改を終えた記者会見の席で、沖縄・伊良部島で行う今オフの自主トレに阪神・藤浪晋太郎が参加することを明かした。藤浪から菅野に連絡があり、自主トレへの参加を志願したという。

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 2人は2012年ドラフトで共に1位で入団した同期だが、プロ野球人生は対照的な歩みだ。菅野はプロ9年間で7度の2ケタ勝利をマークし、最多勝3度、最優秀防御率4度、沢村賞、MVPを2度受賞と球界を代表する投手に。藤浪も高卒1年目から3年連続2ケタ勝利と菅野に負けない輝きを放っていたが、その後は制球難で投球フォームを崩して1軍定着すらままならない状況に。今季は自身初の開幕投手を務めたが、好調が持続しない。21試合登板で3勝3敗4ホールド、防御率5.21と不本意な成績で終わった。16年の推定年俸1億7000万円から6年連続のダウンで4900万円に。報道によると、「完全な自分のエゴで先発をやりたいというのもありますし、そのエゴを通せない程度の実力なら中継ぎでも大した成績を残せないと思っているので、自分のエゴを貫いてやります」と先発志願したという。

「制球に不安を抱えて打者と勝負する前に自滅する状況が何年も続いている。現状打開に向け、菅野から学べる点は非常に多い。球界屈指の野球理論に加え、投手としての心構えなどメンタルコントロールの重要性を学べる。藤浪の自主トレ参加を快諾した菅野の姿勢も評価されるべきでしょう。昔は因縁の関係である巨人と阪神の選手が一緒に自主トレすることなど考えられなかったが、今は侍ジャパンなど選手同士の交流の機会が多いので、球団の垣根を越えてオフに一緒にトレーニングすることが珍しくない。昨年は阪神・北條史也が光星学院(現八戸学院光星)の先輩に当たる巨人・坂本勇人の自主トレに参加し、打撃と遊撃の守備で多くのことを学んでいました。藤浪も菅野から『エースの哲学』を学ぶことで、復活のきっかけをつかんでほしいですね」(スポーツ紙デスク)

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