17日に最終回を迎えたドラマ「最愛」。主演の吉高由里子や松下洸平の演技が絶賛される一方で、近年女優としての活躍がめざましい田中みな実(35)にも注目が集まった。フリーライター役として第8話まで出演していた田中だが、その演技には違和感を覚えた視聴者も少なくなかったようで、「田中みな実、ひとりだけちょっと浮いてない?」という声もSNSで上がった。
「田中さんは女子アナ時代のぶりっこキャラやバラエティータレントとしてのイメージが強いせいか、ドラマを見ていてもなかなか彼女の役に入っていけない視聴者は多いようです。しかも、今回の役柄は15年前に性的被害に遭った暗い過去を持つフリーライター。やさぐれまくって服も髪もボサボサという、田中さんとは真逆のキャラでした。笑顔も一切なくほぼ無表情だったため、どうしても違和感が残ったのでしょう。また、吉高さんや薬師丸ひろ子さんなど手練れの役者たちに囲まれ、より落差が浮き彫りになった面もある。一部メディアには『演技ヘタ』『イマイチ』などと酷評されていました」(テレビ情報誌の編集者)
だが、芸能評論家の三杉武は「それも計算の上だろう」と話す。
「田中さん自身のせいというより、田中さんを真逆のキャラに落とし込もうとした制作サイドのムチャぶりにも思えます。実際、SNSでは『こんな暗い役をやらされるの、かわいそう』という声も結構ありました。セルフプロデュース能力の高い田中さんのことなので、今回の役が自身のイメージと合わないことも重々承知の上で出演を決めたでしょうし、今後へのチャレンジだったのでしょう。そもそも、局アナ時代には“みんなのみな実”を自ら演じていたフシもありましたし、演技の素養は高いのではないでしょうか」
今年は映画2本、ドラマ5本と女優としての活躍の場を広げた。昨年8月に人気女優が多数所属する芸能事務所に電撃移籍したことも影響しているだろう。民放ドラマ制作スタッフは言う。
「田中さんは『M 愛すべき人がいて』の怪演が話題となったことで、以降はイロモノ役が多く、これまではあまり女優としての演技力が問われることはなかった。『最愛』のような人間群像劇で、演技力の高い役者さんたちと対峙すると、どうしても演技力のなさが露呈してしまいます。これをチャンスととらえて演技力を強化していくのか、それとも今まで通りの田中みな実キャラをいかしたイロモノ女優として突き進むのか、彼女の今後を考えさせられる役になったことは間違いない。でも、田中さんには圧倒的な華がありますから、オファーは今後も続くでしょう」