正捕手1人に頼らず、複数の捕手をそろえるのが現代野球のトレンドであることは間違いない。阪神は梅野隆太郎が正捕手だが、疲れの見えた終盤は坂本誠志郎がスタメンで出続けた。オリックスも左腕投手のリードに定評がある伏見寅威がチームトップの74試合で先発マスクをかぶったが、エース・山本由伸が登板する日など右投手が先発の時は若月健矢がマスクをかぶる時が多かった。

「捕手の複数制は否定されることではありません。ただ、軸になる捕手がいるかいないかで戦い方が全く変わってくる。阪神は坂本がシーズン終盤にマスクをかぶっていましたが、チームに与える安心感、相手から脅威に感じる中心選手は梅野です。梅野がいるから坂本も『第2の捕手』で輝ける。FAで他球団に流出しなかったのは最大の戦力補強と言えるでしょう。対照的に巨人は軸になる捕手が見えてこない。大城を一塁で起用した時もありましたが、そこまでの打力はない。小林もリードを含めた守備で圧倒的な違いを見せられているわけではない。来年も大城が正捕手に最も近い存在であることは間違いないが、もう1ランク上に行くために攻守で殻を破ってほしいですね」(スポーツ紙デスク)

 阿部慎之助(現コーチ)の存在があまりに大きいのかもしれない。大城にあのレベルの打力を求めるのは酷だろう。チームを勝たせる扇の要に誰を据えるか。原辰徳監督の決断が注目される。

(安西憲春)

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