東海道五十三次(隷書東海道)四十三 桑名(掲載した浮世絵の所蔵、取材協力=川崎浮世絵ギャラリー)
東海道五十三次(隷書東海道)四十三 桑名(掲載した浮世絵の所蔵、取材協力=川崎浮世絵ギャラリー)

──楽しそうに仕事をしている人って、できあがった絵も楽しいです。

 江戸時代の年齢は現代人に置き換えるなら、当時の平均寿命から換算して10歳足すぐらいです。広重は当時37歳だったから今の47歳ぐらいで、東海道で初めて絵師としてヒットメーカーになった。歌川のお家芸である役者絵、美人画では芽が出ずに足掻いていたけれど、名所絵というジャンルを確立した。こだわりや意地を捨て、目先を変えたわけです。そう考えると、広重って「人生は後半戦からでもまだまだ巻き返し可能だ」と思わせてくれる、そんな存在でもありますね。

(構成/本誌・工藤早春)

週刊朝日  2022年11月4日号

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