のん:のん、の名前になってからです。感覚で演じるのではなく分析しておくと、目指すところに最短ルートでいける気がして。役が自然に見えるための準備というか。
門脇:すごい。思考が論理的なのかな? だから監督や創作活動もできるんだね。私、インタビューでは割とロジカルに話せるんだけど、演技に関してはのんちゃんと真逆だと思う。自分の状態をグレーにしておいて、その瞬間に白だったら白、黒だったら黒、で演じている。監督が「違うよ」と言ったら「すいません。じゃ黒で」みたいな感じ。
のん:そうなんですね。
門脇:私、監督は絶対にできない。私は創作意欲と才能のある人をうちわであおいで、恩恵にあやかりたいタイプなんです。
■「一緒にどうですか?」
──長女・のぞみ役の大島優子さんも交え、撮影の合間にはトークに花が咲いたそうだ。
門脇:みんなマイペースだったので、居心地よかったよね。
のん:大島さんはロケ先のおいしいラーメン屋さんやパン屋さん情報を教えてくれて、麦さんは釣りの話をたくさんしてくれて。私、お魚さばけるようになったんです。
門脇:ホント? 一緒に釣り、どうですか。
のん:行きたい!
門脇:でも私、アウトドアなときとインドアのときの差が激しいんです。「インドア・バージョン麦」のときは1週間くらい家から出ないで、ずっとベッドでアニメ観ている。最近のおすすめは「オッドタクシー」と「リコリス・リコイル」。
のん:観始めると画面から離れられなくなりますよね。私のおすすめはディズニーのキャラクターが登場する「ワンス・アポン・ア・タイム」。私もけっこう出無精で、でもたまに外に出たときにはめちゃくちゃ楽しみます。一緒にディズニーランド、どうですか?
門脇:行きたい!
(構成/フリーランス記者・中村千晶)
※AERA 2022年10月31日号