海外の書店の入り口には大抵、テーブルブックという写真や画集のビジュアル本が山積みされています。ホームパーティのためのプレゼンテーションです。日本では見受けられない書店の風景です。日本人は感性よりも知性を優先します。面白い人より堅い人の方が優先されます。天才は堅い人より面白い人が多いです。日本は天才よりも秀才や優等生が尊敬されます。つまり真面目人間が求められます。だけど本当の創造は真面目人間からは生まれません。創造はむしろ異端的な発想をする人が世界に影響を与えます。
えーっと、そこで先ず新聞紙面を革新的に一新させる提案をさせていただきます。その方法は実に簡単です。何も無理に記事を作る必要はないのです。長文で語るより短文で語る方が的確に伝わるなら、ほんの数行だっていいのです。また、わざわざ記事にする必要のないものなら、紙面からはずして空欄にしてもいいのです。言葉を少なくすることによって、読者は逆に空白部分に想像力を働かせます。記事が少なくて、紙面のアチコチに余白が空いていることで読者は社会や時代を認識して、空白を自分の想像力で埋めます。紙面のアチコチに余白がボコボコ空いていることで、本当に必要なことだけが記事になっているんだなあと思うでしょう。また広告面でも広告がのらなければ、その意思表示としてワクだけで中身の広告がないことに気づき、「不況なんだろうなあ」と肉体で感じとります。
4コマ漫画だって、今日は3コマで終わっている。4コマ目の落ちのアイデアが浮かばなかったことの漫画家の自己証明になります。記事の文章も、時間切れで、途中で中断せざるを得なかった場合は未完の記事を掲載することで読者は新聞記者は大変なんだろうなあと想像します。そして余白の部分の理由を読者がそれぞれ勝手に推理して、ミステリー小説みたいだなと大喜びします。
そりゃ、中には料金を払っているんだ、1行たりとも余白を空けるとはケシカランと怒る人も出てくると思います。そのために、紙面の最後に「お詫び」として、「今日はせいいっぱいの努力をしましたが、これ以上不必要な記事を掲載することは編集部の良心に反します。また明日からは出来るだけ余白の少ない紙面を作りますので、本日は、どうぞごかんべん下さいませ」と記述すればいいのです。