【米ビルボード・ソング・チャート】ジャック・ハーロウ「ファースト・クラス」首位返り咲き、バッド・バニーTOP10に4曲送り込む
【米ビルボード・ソング・チャート】ジャック・ハーロウ「ファースト・クラス」首位返り咲き、バッド・バニーTOP10に4曲送り込む

 ジャック・ハーロウの「ファースト・クラス」が返り咲き、2週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

 4月8日にリリースされた「ファースト・クラス」は、4月23日付で1位に初登場した後、2位(4月30日)、2位(5月7日)、3位(5月14日)とTOP3をキープして今週再びトップに立ち、デビュー週以来4週ぶり、2週目の首位を獲得した。同時に、R&B/ヒップホップ・ソング・チャートとラップ・ソング・チャートでも1位に返り咲いている。

 ラジオの伸び率が良く、前週から31%増加の4,790万回を記録してエアプレイ・チャートで10位から8位に最高位を更新。その週最も伸びた曲に贈られるAirplay Gainerを4週連続で獲得した。デジタル・ソング・セールス・チャートでは6位から7位に順位を下げているが、売上は14%増加の8,000に上昇している。

 同曲が収録された新作『カム・ホーム・ザ・キッズ・ミス・ユー』が5月6日にリリースされたことで、ストリーミングも21%増加の3,110万回に上昇。ストリーミング・ソング・チャートでは3位から2位に再浮上した。その『カム・ホーム・ザ・キッズ・ミス・ユー』は、今週のアルバム・チャート“Billboard 200”で3位に初登場している。

 5月15日に開催された【2022 ビルボード・ミュージック・アワード】で「ファースト・クラス」を披露したジャック・ハーロウ。パフォーマンス効果は、次週のチャートに反映することが予想される。

 先週2位にダウンしたハリー・スタイルズの「アズ・イット・ワズ」は、今週も同位をキープ。この曲もラジオが好調で、前週から12%増加の6,590万回を記録してエアプレイ・チャートでは3位から1位に上昇し、自身初のNo.1タイトルを獲得した。同時に、ポップ・エアプレイ・チャートでも「アドア・ユー」(1週)、 「ウォータメロン・シュガー」(7週)に続く3曲目の1位を獲得している。なお、「アドア・ユー」と 「ウォータメロン・シュガー」のエアプレイ・チャート(総合)での最高位は2位どまりだった。

 5月4日にバージョン違いのアート・ワークをリリースしたことで先週急増したセールスは、今週54%減少の7,500に急落。ストリーミングも9%減少の2,320万回に数字を落としたが、同曲が収録される新作『ハリーズ・ハウス』が5月20日にリリースされるため、次週以降再浮上する可能性が高い。

 先週1位に初登場したフューチャーの新曲「Wait for U feat. ドレイク&テムズ」は、アルバム『アイ・ネヴァー・ライクド・ユー』とビデオのリリース効果が落ち着き今週3位にダウン。ストリーミング・チャートでは2週目の首位をキープしたが、再生数は21%減少の3,150万回に落ちている。また、先週TOP10に初登場した「Puffin on Zootiez」(4位)、「712PM」(8位)、「I'm Dat Nigga」(10位)の3曲も、今週は圏外にランクダウンした。

 先週はフューチャーが新作から4曲をTOP10入りさせたが、今週はアルバム・チャート“Billboard 200”でNo.1デビューを飾ったバッド・バニーのニュー・アルバム『Un Verano Sin Ti』から以下の同4曲が初登場した。『Un Verano Sin Ti』に収録された曲はいずれもスペイン語で、Hot 100史上スペイン語の曲がTOP10に複数同時ランクインするのは今週が初の快挙となる。

4位「Moscow Mule」
5位「Titi Me Pregunto」
6位「Despues de la Playa」
10位「Me Porto Bonito with チェンチョ・コルレオーネ」

 同じアーティストの曲がTOP10に4曲以上初登場したのは史上7回目で、フューチャーの他にはドレイクが2021年9月18日付(9曲)と2018年7月14日付(4曲)で2回、J.コールが2021年5月29日付(4曲)、ジュース・ワールドが2020年7月25日付(4曲)、リル・ウェインが2018年10月13日付(4曲)でそれぞれ1回ずつ達成している。

 バッド・バニーは、これでTOP10ランクイン記録をカーディ・Bの「アイ・ライク・イット feat.バッド・バニー&J.バルヴィン」(2018年 / 1位)、「MIA feat. ドレイク」(2018年 / 5位)、「Dakiti with ジャイ・コルテッツ」(2020年 / 5位)、「Yonaguni」(2021年 / 10位)に続く8曲に更新。「Me Porto Bonito」にゲストとして参加したチェンチョ・コルレオーネは、初のランクインを果たした。

 4位に初登場した「Moscow Mule」は初週3,040万ストリーミングを記録して、ラテン・ソング・チャートで自身5曲目の初登場1位を獲得し、No.1タイトルを通算10曲目に更新した。そのほか「Titi Me Pregunto」は2,510万回、「Despues de la Playa」は2,490万回、「Me Porto Bonito」は2,370万ストリーミングをそれぞれ記録している。

 バッド・バニーに続き、今週はリゾの新曲「アバウト・ダム・タイム」が19位から9位に上昇し、TOP10に5曲がニュー・エントリーを果たした。リゾは、通算7週の1位をマークした「トゥルース・ハーツ」(2019年)、最高3位を獲得した「グッド・アズ・ヘル」(2019年)、4位に初登場した「ルーマーズ feat.カーディ・B」(2021年)に続く4曲目にTOP10入りしたタイトルを更新した。

 4月14日にリリースした「アバウト・ダム・タイム」は、4月30日付で50位にデビューした後翌週60位にダウンしたが、TikTokでダンス動画がバイラル・ヒットしたことで先週19位までジャンプアップし、今週9位まで上昇した。前週から50%増加の1,690万回を記録して、ストリーミング・チャートでは21位から15位に上昇。売上も72%増加の17,500に上昇し、今週のSales Gainerを獲得してセールス・チャートでは3位をキープした。エアプレイ・チャートでは、32%増加の2,100万回を記録して44位から28位にジャンプアップしている。

 「アバウト・ダム・タイム」は、7月15日にリリース予定の新作『スペシャル』からの先行シングルで、アルバムのプロモーションにより今後も上昇が見込める。先立って今週のR&Bソング・チャートでは、前述の 「グッド・アズ・ヘル」に続く2曲目の首位を獲得した。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは5月20日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「ファースト・クラス」ジャック・ハーロウ
2位「アズ・イット・ワズ」ハリー・スタイルズ
3位「Wait for U」フューチャー feat. ドレイク&テムズ
4位「Moscow Mule」バッド・バニー
5位「Titi Me Pregunto」バッド・バニー
6位「Despues de la Playa」バッド・バニー
7位「ヒート・ウェイヴス」グラス・アニマルズ
8位「ビッグ・エナジー」ラトー
9位「アバウト・ダム・タイム」リゾ
10位「Me Porto Bonito」バッド・バニー with チェンチョ・コルレオーネ